ゴランハイツ ワイナリー ヤルデン ピノノワール 2019
イスラエルにワイナリーがあるとは思っても無かった方は多いと思いますが私もです。
イスラエルと言えばパレスチナ問題を抱えているところですが、「政治、宗教、野球の話はするな」という社会人の常識に従い割愛。そもそも語れるほど知りません。
ブログを書くに当たり、ゴランハイツ ワイナリーの場所を調べたところ、お隣の国のヨルダンなのですが、輸入元のテクニカルデータによれば「イスラエル北部ガリラヤ地方ゴラン高原カツリン」です。このラインナップの名前であるヤルデンもヘブライ語でヨルダンを意味するそうですし、よく分かりません。
このワインは第14回世界最優秀ソムリエコンクールの決勝で出題され有名になりました。ネットショップでは世界最優秀ソムリエを次々に魅了したとか幻のピノノワールとか派手な謳い文句が飛び交ってますが、トップソムリエが当てられなかっただけで、絶賛したとかじゃないですし、数量割り当てになるようなレアな商品でもなく、普通に発注した数量が問題なく買えるワインです。
しかし、ヤルデンのシャルドネは一時欠品。聞けば価格が上がり続けているブルゴーニュやナパのシャルドネからヤルデンに変えていく飲食店が急に増え、入荷が追い付かないとの事。事情を電話で伺っていた時に「ヤルデンがやらないデンに、、、、」とつぶやいたら爆笑されてました。
またしても豚ロース(酒粕漬け)。この食事で200円程度なのでお財布に優しい。のですが、ヤルデンのピノノワールは6000円前後ですので、頻繁に飲めるものではありません。内心「ブルゴーニュの村名クラスじゃん、、、」とか思いつつも勉強のためと自分に言い訳をして購入。
私はピノノワールは
saito0701.hatenablog.comこのようなブルゴーニュを軸に考えており
saito0701.hatenablog.comカレラを代表とするカリフォルニアは分かりやすいがやや大味、チリも美味しいけどブルゴーニュのような繊細な酸はほとんど感じません。ニュージーランドは綺麗ですが果実味が明るく好みではありますが、ブルゴーニュのような冷たさ、陰気さはありません。
それぞれがその地域の味ですから、ブルゴーニュ以外でブルゴーニュの味を再現する必要はありません。偉大なワインとはその土地の味わいを表現したワイン、すなわちテロワールのワインだと考えています。このヤルデンのピノノワールは驚きです。先述のどの国よりも複雑です。
トップソムリエですら当てられないはずです。私は迷わずブルゴーニュと答えていると思います。ブルゴーニュファンなのに。知った上で飲んでみれば、ヴォーヌ ロマネのような分からなさ、シャンボール ミュジニーのような陰気さ、ジュブレ シャンベルタンのような力強さとはどれも違います。
程よい果実味と細かな酸。深みがあり、口の中で味わいが縦に伸びていきます。派手さは無いが実直な人物のようです。シンプルを通り越してチープさすら感じるラベルとそれに見合わない価格に今まで手を出してこなかったのですが、これは中々すごいです。同価格であればブルゴーニュを買うと思いますが、レストランでメニューに載っていたら視野の広いソムリエがいる店だと感じそうです。
コルクのおしゃれです。
ちょっと宅飲みに向く価格帯では無いのですが、一つ引き出しが増えました。