酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のご紹介

ダグラス レイン ザ ゴールドロンズ

ダグラス レイン ザ ゴールドロンズ
  • スコットランド/キャンベルタウン
  • 生産者:ダグラスレイン
  • 輸入元:ジャパンインポートシステム

有名ボトラーズ会社、ダグラスレインがリリースするブレンデッドモルト(複数の蒸留所のモルトウィスキーをブレンド。グレーンウィスキーは使わない)で、こちらはキャンベルタウンのスプリングバンクとグレンスコシアのみのブレンド

 

スプリングバンクはいまやスタンダード品が2万円を超えるプレミアム品になってしまい、ちょっと買えないなぁと思ってたらこちらが再発売されるとのことで購入。酒名はキャンベルタウンの西の入り江の名前。キャンベルタウンはその昔スコッチの首都と言われるほどの蒸留所があったウィスキーで栄えた町でしたが、現在はスプリングバンク、グレンスコシア、グレンガイルの3つの蒸留所のみとなってしまいました。

 

ラベルのクモの巣はスコットランドの英雄であり、イングランドからの独立のために戦った王であり、戦士でもあったロバート一世が敗戦後にこの地でクモが風雨に耐えながら巣を張っているのを見て奮起したという逸話から来るものでしょう。

 

冷却ろ過、着色無しの明るい色調。「モルトの香水」とすら称されるスプリングバンクを思いながら香りをかいでみると、やや香りは乏しく感じます。さすがに原酒も若そうですし、口に含んでみるとグレンスコシアの特徴の方がやや顕著です。

saito0701.hatenablog.comしかし、キャンベルタウンらしい潮っぽさはしっかりと感じ取れますし、アイラのそれとは異なるスモーキーさも面白い。奥行きはそこまでではありませんがそれなりに複雑香味を持ってます。

 

ダグラス レインはスコットランドの地方ごとのブレンデッドモルトをリリースしておりリマーカブル リージョン モルトと言われ、これが最終章とされています。

 

ビッグピートアイラ島アードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレン

 

スカリーワグスペイサイドマッカランモートラックなど

 

ティモラス ビースティハイランド。ブレアアソール、ダルモアグレンゴイン、グレンギリーなど

 

ロックアイランド(旧ロックオイスターアイランド(いわゆる島もの)。ジュラ、アラン、オークニー、およびアイラ島の蒸留所

 

エピキュリアンローランドオーヘントッシャン、グレンキンチー、シークレットローランドモルト

 

エピキュリアンはちょっと気になりますね。ローランドはここ数年で蒸留所が増えており、注目が集まっている地方です。シングルモルトファンはアイラ島やスペイサイドのような蒸留所が集中しているところを半ば聖地のように思ってますし、それは間違いではないのでしょうが、人口が多く、観光客も見込めるローランドの方が商業的にはうまく行きそうな気はします。

 

人気のシングルモルトは価格が上がりすぎており、もはやコレクターアイテムのようなものが増えている中、この手のボトラーズのブレンデッドを物色するのもいいかもしれません。

ハウメ セラ ベガ クリスティーナ カヴァ ブリュット

ハウメ セラ ベガ クリスティーナ カヴァ ブリュット
  • 生産国:スペイン/カタルーニャ
  • 生産者:ハウメ セラ
  • 輸入元:ユーラス

saito0701.hatenablog.com

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saito0701.hatenablog.comこれら同様、ロピアの自社輸入ワインです。通常598円(外税)のようですが2本で1000円ほどだったので、ロゼとセットで購入。


カヴァはスペインを代表するスパークリングワインですが、時々ネットショップや酒屋などでシャンパン同様の製法」と謳っているのを見かけますが違和感があります。

 

発泡性ワインの作り方は大きく分けて以下のようなものがあります

 

  • 瓶内二次発酵(メトード トラディショナル)

シャンパンの製法。ワインを瓶詰したところに酵母と糖を入れて王冠をして二度目の発酵を行うことで炭酸ガスを加える。その後王冠と一緒に発酵で生じた澱を取り除き、栓をする。一番手間暇かかるが、味、ガス圧ともにしっかり。スペインのカヴァやフランスのクレマンもこの方式。

  • シャルマ方式

大型の密閉タンクで二次発酵まで行い、スパークリングワインになったものを瓶詰。手ごろにできるため、かなり広く使われる。イタリアのアスティなどもこれ。

基本的にトラディショナルと同じだが、瓶内二次発酵させたスパークリングワインを密閉タンクに移してまとめて澱引きして新しい瓶に詰める。澱引き以外はトラディショナルと同じため、質は高いがコストは削減できる。一部のドイツのゼクトなど。

一番低コストで雑な仕上がり。もちろん安い。

  • 田舎方式(メトード リュラル)

トラディショナルとほぼ同じだが、この方式で行う生産者は澱引きをせず、ワインに糖と酵母を加えて終わりにするため、澱がそのまま残ってるところが多い。偏見ですが自然派に多く、泡はそこまで強くないが自然なワインの味わいが楽しめるものが多い印象があります。

 

どれも一長一短あるので、どれが良く、どれがダメということは無いのですが、カヴァの炭酸ガスの付与の仕方だけで「シャンパン同様」は誇大広告です。シャンパンは1haあたりのブドウ収量やそこから搾り取っていい果汁、最低熟成期間にブドウ品種や生産地域など細かい規定が盛りだくさんです。通常のカヴァももちろん規定はありますがシャンパンより緩めです。

 

とは言えカヴァもスタンダード品はシャンパンより緩いのですが、最も厳しいカヴァのカヴァ デ パラヘ カリフィードはヴィンテージ シャンパン並みに厳しい規定があります。

 

前述のシャンパンの収量ですが、ブルゴーニュの生産者からすると「多すぎるし、年によって1haあたりから作っていいワインの量を変えるのは商業的すぎる」という批判があることも付け加えておきます。

 

シャンパーニュはまぁまぁ闇の深い部分がある(ドイツとの戦争でめちゃくちゃ人が死んでる土地だったり、偽物が出回りまくったり、ブルゴーニュと仲が悪かったり)ので複雑な歴史が複雑な規定を生んでるところでもあります。

 

カヴァがシャンパンに劣るって話では無く、炭酸ガスを加える過程だけ見て「シャンパン同様」は浅はか過ぎると思います。私はカヴァとシャンパンは別のワインと認識してますが、どうしても比べたい販売者はこれらの規定も比較したうえでそのように謳ってください。

 

前置きが長くなり過ぎましたが、このカヴァ、安いがゆえに画像で見て取れるほど泡が雑で大きめです。比較的泡が大きなシャンパンのゴッセですらここまで大きくありません。ガス圧はしっかりしてますが、口に含んだ時のきめ細かな泡や酸はまったく期待しないでください。

 

期待してなかったのでキムチ鍋に合わせましたが、味の雑さと相まって意外といい感じです。繊細なシャンパーニュでは台無しにあるペアリングですが、このカヴァなら悪くありません。

 

スパークリングワインは瓶を厚くしないとならないし、通常のワインよりひと手間かかる分、やや高めの価格設定で当然ですが、それでもこの500~600円というのは驚きの価格です。価格を考えれば申し分ない1本だと思います。

贅沢搾り ふじ林檎

贅沢搾り ふじ林檎

缶チューハイの売れ筋ランキングは集計時期や集計した者によって大きく異なるため、あまり意味は無いのですが、それでもほとんどの売れ筋ランキング上位には入ってこない大手メーカーの缶チューハイブランドがこの贅沢搾りです。

 

コンセプトは果汁感を前面に押し出し、アルコール感は程よい贅沢なチューハイといったところで、スタンダード品のラインナップはレモン、グレープフルーツはいいとして他が桃、ぶどう、キウイとちょっとだけひねった感じが悪くないと思っているのですが、やはりスーパードライ以外の訴求が弱いアサヒだけにあと一歩が届かないブランドという印象です。その一歩先の缶チューハイランキング上位常連ブランドは

 

 

こんなところです。この辺は間違いなくトップブランドでしょう。

 

この贅沢搾り ふじ林檎は冬季限定商品で、パッケージから連想されるようなプレミアム感のある、しっかりとした林檎の味わいが楽しめる缶チューハイです。在日米軍の方とお酒の話で盛り上がったことがありますが、日本の缶チューハイはアルコールに物足りなさを感じはするものの味のバリエーションが非常に豊富で何より清涼飲料と変わらない価格でいつでも入手できるのはすごくいいと語ってました。

 

期間限定の缶チューハイは一期一会のようなものですし、何より価格が手ごろなのがいいですね。

いいちこ 深薫(しんくん)

いいちこ 深薫(しんくん)

いいちこは言わずと知れた麦焼酎の有名ブランド。この深薫はいいちこの飲食店向けとの事ですが、普通に店頭に並んでました。どうも飲食店向けの配達を行っている小さな酒屋なので、扱うのは問題ないんでしょうがどうなんでしょう。

 

通常の物より香りとコクがあるとのことで、お湯割り用の麦焼酎が欲しかった私は迷わず購入。漫画の「ワカコ酒」を読んで麦焼酎のお湯割りを試してみくなりました。

 

この日の夕食は油そば(具無し)とキムチ。この時期、広く料理に合わせられそうな懐の深さがあるお酒です。やはり和食と馴染みそう。

昔、バーテンダーの方とお酒と酔い方の話題で盛り上がったことがあります。その方も私もカクテル、ウィスキー、ブランデー、シェリー、ワイン、日本酒、焼酎などはもちろん、紹興酒、白酒、マッコリ、カシャーサ、オルーホ、テキーラなどと様々なお酒を飲みますが、二人で共通したのは一番気持ちのいい酔い方をするのは本格焼酎、一番嫌な酔い方をするのが日本酒、紹興酒シェリでした。

 

麦でも芋でも本格焼酎の酔い方は何ともいいものです。もちろん体質に影響されると思うのですが。私は洋酒に比べれば和酒は飲む頻度が低いのですが、普段の食卓に合わせやすいのはやはり日本酒や焼酎です。ワインみたいにガッチリ噛みあう、という経験もあまりありませんが、安心感があります。

 

いいちこ 深薫は悪くないと思いますが、お湯割りにするなら細部が分からなくなりそうなので、もっと安い焼酎でもいいかもしれないとか考えながらフォトジェニックからかなり遠い夕食をいただきました。

アサヒ ドライ ゼロ

アサヒ ドライ ゼロ

リリース前からスーパードライに名前もデザインも似すぎている」と批判が挙がっていましたが、ついに妻がビールと間違えて買ってきました。私自身確認してないのでどこのお店とは言いませんが、妻曰くプレモルの隣にあった」との事です。それでは下戸の妻が間違えても仕方ありません。

 

どうでもいいので適当な夕食の日の休肝日に合わせて開けました。

 

ノンアルコールビールの歴史は古く、アメリカの禁酒法1920年~1933年)にまでさかのぼります。日本では本格的にビールテイスト飲料が発売、認知されたのはそこから20年ほど経った戦後の1948年に生まれたホッピーが最初かと思われます。しかし、ホッピーは今の昔も単体でビールの代わりに飲む物と言うより、焼酎の割り材として扱われることが多い商品です。

 

1980年代にはゲステル(ドイツ製。日本酒類販売輸入)やバービカン宝酒造とイギリスのバスブリュワリーの合作)などが生まれ、「ビールの代わりに飲む」という文化が芽生えたようです。私はテキサス セレクトを試しに飲んでみましたがクソ不味かったのを記憶しています。ゲステル、バービカン、テキサス セレクトはいずれも終売となってます。

 

2007年9月に道路交通法改正で飲酒運転が厳罰化されました。2006年8月25日に福岡県で幼児三人が飲酒運転の犠牲になった非常に痛ましい事故を受けてのことです。これにより、現在では考えられないほど緩かった飲酒運転に対して法も世間の目も厳しくなり、よりノンアルコールビールが注目を浴びたところに満を持して発売されたのがキリン フリーです。

 

キリン フリーが画期的だったのはこれまでのビールテイスト飲料はアルコール度数0.1°程度の「量を飲んだら体質によっては酔うかも」というものだった、ビールからアルコール分を頑張って抜いた物だったのに対し、キリン フリーはアルコール度数0.0°と飲んでも車の運転に何ら差支え無い物だったのです。

 

加えて従来の「ビールからアルコールを抜く」という手法は味がなんとも言えないものになっていたのですが、キリン フリーは簡単に言うと「ビールの原料とも言える麦芽のジュースの味を整えたもの」ですから、完全にアルコールは入ってない上に味も調整された物でこれまでの物に比べて味も良い商品を飲酒運転厳禁の風潮が後押しし、爆発的に売れました。

 

それを指を加えて黙ってみている他社ではありません。他のビールメーカーもこぞってノンアルコールビールを発売し、現在に至るわけです。

 

味はその後も各社改良を重ね、このドライゼロも悪くないものになってます。名前と言いデザインといい、本当にスーパードライのブランドから脱却できないアサヒビールのダメっぷりを象徴するような商品です。

 

自宅で購入し、好き好んで飲んだりはしません。しかし、車を運転できないときにちょっとおしゃれな飲食店に行った時は時々飲んでます。雰囲気は楽しめますね。それに以前に比べて泡立ちもいい気がします。今後も競争してほしいものです。

センダ モレナ ブリュット(2日目)

saito0701.hatenablog.comこれの2日目。

 

スパークリングワインは炭酸ガスで守られているため、2日目程度では炭酸が弱くなるくらいで、スティルワイン(泡の無い普通のワイン)に比べれば酸化されず、味そのものは大きく変わりません。それはこんな600円程度のスパークリングワインでも同様です。

 

高価格のシャンパンにとって泡は飾りであって、酒質そのものを楽しむべきと思ってますから抜栓直後としばらく置いて落ち着いてからの味の変化を比べてみるのもいいかもしれません。滅多にそんなシャンパンなど飲めませんが。

 

これはあっさりした味なので、フレッシュサラダでも問題なさそうです。安ワインには安ワインの飲み方、ふさわしい食卓があります。

 

twitterで芸能人格付けチェックが話題になってました。5000円のワインと100万円のワインのブラインドで見極められるかとかまだやってるんでしょうか?5000円のワインって外れを引く方が難しくなる価格ですが、これを安ワインとして扱うテレビとか感覚が違います。ワインを知らなければ「200倍も価格差があるのだから、テレビに出るような人なら分かるだろう」と思うかもしれません。違うのは分かるでしょうが、5000円のワインを美味しいと思っても何も不思議ではありません。

 

口に入るもので安いものと高いもので1000倍の差があるものはワインだけだと言います。100万円のワインは味だけでなく、希少性や評論家が高い評価を付けたかどうか、誰もが欲しいと思うかなどが価格に含まれてしまいますので、高い=美味しいでは無く、高い=「何かがすごい」に変ってしまいます。

 

でも、100万円のワイン飲んでみたいな。

センダ モレナ ブリュット

センダ モレナ ブリュット
  • 生産国:スペイン
  • 生産者:フェリックス ソリス(?)

面構えは悪くないのにドラッグストアで600円程度で売られていたスパークリングワインです。スペイン産ではありようですがカヴァでは無いようですね。実際、カヴァほどの泡の強さは感じません。

 

生産者名を検索してみたのですが、恐らくはスペイン大手のフェリックス ソリスとは思われますが、輸出先を限定しているブランドは公式HPには掲載しないことが多いため、調べてはみましたが確証はありません。

ユーロリーフ(EU有機認定の証明)もラベルに書かれているオーガニックスパークリング。ラベルにも「ビオ&エコ」と書かれてます。

「地球にやさしく」という思い上がった言葉が嫌いな私はエコって文字も嫌いです。無論、環境を良くすべきと思ってますが、それは地球のためでなく、人間のためです。二酸化炭素の増加、それから引き起こされる温暖化や異常気象が問題視されてますが、植物の視点で言えば二酸化炭素の増加はこの程度なら望ましいし、温暖化によって生息範囲が広がる植物も多くあるでしょう。環境保全は地球のためでなく、我々とその子孫のために必要なことです。

 

安い割には思ったほど悪くありません。オーガニックを謳っているワインは酸はあるがトゲトゲしくは無い印象は確かにあります。目隠し、前情報無しで私の舌で分かるほどではありませんが。

 

オーガニックであろうとそうでなかろうと味と価格が良ければ申し分はありません。リピートするほどではありませんが、スパークリングワインに求めるフレッシュな酸と生き生きとした泡は持ち合わせています。こうしてみれば安ワインには見えないラベルも悪くありません。他人にお勧めするほどではありませんし、飲み終わってしまえば印象には残りませんがいい買い物だったかもしれません。