酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

マルゴー デュ シャトー マルゴー 2014

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マルゴー デュ シャトー マルゴー 2014
  • 生産国:フランス/ボルドー地方メドック地区マルゴー村
  • 生産者:シャトー マルゴ
  • 輸入元:ファインズ
  • ブドウ品種:カベルネソーヴィニヨン49%、メルロー49%、プティヴェルド2%

宅飲みがテーマなのに全く宅飲みにふさわしくないワインです。ちょっと安く購入できるタイミングがあったので背伸びして購入。妻には内緒です。

 

フランスのボルドー地方には押しも押されぬ五大シャトーと呼ばれる生産者がおり、その頂点の一角であるシャトー マルゴーが作るワインです。

 

シャトー マルゴー自体は2022年現在、あまりいいヴィンテージ(生産年)でなくても4~5万円以上、優れたヴィンテージでは倍以上することは珍しくありません。しかし、優れたワインを作るために選りすぐりのブドウを使う必要があります。選りすぐられなかったブドウは集められ、セカンドワインと呼ばれる格下のワインに使用されます。シャトー マルゴーのセカンドワインは「パヴィヨン ルージュ デュ シャトー マルゴー」。ちなみにそんなセカンドですら3万円近いという世界です。

 

このマルゴー デュ シャトー マルゴーはそんなセカンドにすら使われなかったブドウで作られたサードワインで、2009年から作られています。書き方がアレですがそれでも1万円程度が相場というのが驚きです。

 

セカンドだのサードだの守銭奴め!と思うかもしれませんが、これら格下のワインと用意しないとちょっとでも良くないブドウは売却するか無理して使うしかありません。無理して使えばファーストラベルの質は下がり、売却すればファーストラベルの値段がさらに上がってしまいます。これを防ぎつつファーストラベルが手の届かない人にもその世界をちょっとだけ見せてやろうというのが目的です。それでも高すぎるんですが。

 

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2014ですから飲み頃かと思い抜栓。コルクからふんだんに赤い果実の香りを感じます。これは期待できそうです。

 

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そんなワインなのに宅飲みの悲しさで肉ともやしの炒め物と合わせます。流石に滅多に開けないワインなのでデキャンタージュしました。空気と触れさせることで閉じている香りが広がりやすくさせるための飲み方です。デキャンタを洗うのが面倒くさいのでそれなりに覚悟を決めたワインにしか使いません。

 

ボルドー地方のワイン、特にカベルネソーヴィニヨンを多く使っているワインは渋みが強いものですが、マルゴー村の物は比較的酸味が強く女性的と表現され、そのマルゴー村の頂点がこのシャトーマルゴー(のサード)です。知らずに飲んだら私の舌ではボルドーのワインとは思わないと思います。

 

デキャンタージュして尚「硬い」。グラスには多種多様な花やベリー系果実の香りを感じますが、舌に感じる味わいは酸味が支配的で正直素直に美味しいとは感じません。私の舌がそれまでと言えばそれまでですが。

 

サードとは言えもっと寝かせるワインなのかもしれません。ゆっくり飲んでいるうちにだんだんと味も香りも広がっていきましたが、逆に言えば8年前のワインとは思えないほど若々しく荒い印象です。ソムリエの資格は持ってますが、ソムリエを仕事にしていたとしても中々お客さんには勧めにくいというのが率直な感想です。同じ価格帯なら同じくマルゴー村のシャトー ディッサンなどを勧めます。

 

いつものごとく、半分は簡単に栓をして冷蔵保管して翌日の変化を楽しみにしてみましょう。