酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

グレンスコシア キャンベルタン 1893

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グレンスコシア キャンベルタン 1893

かつてキャンベルタウンには34もの蒸留所があり、「ウィスキーの首都」と呼ばれるほどの一大ウィスキー生産地だったが第一次世界大戦アメリカの禁酒法、安価な燃料のドラムレンブルの炭鉱の石炭が枯渇、世界恐慌と様々な要因により次々と蒸留所は閉鎖され、このグレンスコシアとスプリングバンクを残すのみに。しかし、1872年創業のグレンガイル蒸留所が2000年に再スタートをしたため、現在キャンベルタウンで稼働している蒸留所は3つとなります。

 

このグレンスコシアの歴史も波瀾万丈だったようで所有者が何度も変わり、かつての所有者の一人、ダンラム・マッカラムは借金苦でキャンベルタウンロッホに身を投げ、その幽霊が蒸留所内に出没するという噂は有名。

 

スプリングバンクが値上がりし、その上出回る数量も大きく減る中でグレンスコシアはかなり入手は容易。輸入元の都光商事は酒屋のリカーマウンテンのグループですから、近くにお店がある方はそちらでも購入できるでしょうし、都光自体別の酒屋にも卸売りを行っている会社ですから、探せば簡単に見つかると思います。ワインは微妙ですがウィスキーはかなり面白いものを扱っているインポーターです。

 

一応、こちらの1893は創業年を入れた限定品扱いとの事ですが1Lで5000円程度。昨今のシングルモルトの価格高騰を考えると良心的な価格です。スプリングバンク10年が馬鹿げたプレミアム価格になってますのでなおさらです。

 

気になるお味はというと、熟成年数はやはり若い印象は否めませんが、キャンベルタウンらしい、潮やほどよいピート、それに後熟に使ったというペドロヒメネスシェリーの甘味がバランスよく混ざり合ったやや個性的な味わいです。有名銘柄がガンガン値上げしているのでこういったマイナー、なれど良質というお酒を探すのが必要な時代になってしまいました。