酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

ローリストン カルヴァドス ドンフロンテ 100%ポワール

ローリストン カルヴァドス ドンフロンテ 100%ポワール
  • 生産国:フランス/ノルマンディー地方
  • 生産者:ローリストン
  • 輸入元:ジャパンインポートシステム

カルヴァドス には3つのAOCがあります

かなりざっくりですが、こんなイメージです。こちらはそのドンフロンテです。カルヴァドス=リンゴのブランデーですが、洋ナシも使われており、こちらの100%ポワールはその名の通り、洋ナシのみで作られたカルヴァドスです。30%以上洋ナシを使うことが義務付けられていますが、上限は無いんですね。

 

さぞ、洋ナシらしく高い香りを持ちながらもリンゴに由来する厚みにはやや欠けた出来になるのかと想像しておりましたが、正直そこまで香り高いというわけでもありません。その一方で比較的熟成年数は短そうですが、それでも深みに欠けるということもありません。飲みごたえに関してもスタンダード品とそう変わりません。

 

初めてジャパンインポートシステムから商品案内をもらった時、興味ありましたが買おうと思った時には完売しており、次のリリースでは購入しようと後悔していたものの、その次のリリース時にはまるで売り切れる様子が無いのは分かりました。さほどリピートする飲食店が無いのでしょう。興味はそそられますが、店の定番にするほどの商品でもないのか、はたまた飲食店でもそうそう飲み切られることが無いのか。

 

悪くはありませんし、後悔もしてません。いい勉強にはなりましたが私もリピートはしないと思う1本です。

ほろよい クリームソーダサワー

ほろよい クリームソーダサワー

やはり、ほろよいは美味い。こちらのクリーソーダサワーも上々の出来です。パッケージ、名称から想像するような味通りというのが地味に嬉しいところです。目新しものを買ってみて外れという事がありません。

 

saito0701.hatenablog.comサントリーのメロンと言えばこちらのミドリが圧倒的に有名で、かつロングセラー商品です。バーにも必ずと言ってもいいほど置いていある定番リキュールですね。品質の高さと綺麗な色調から多くのバーテンダーが使ってますが、このミドリのソーダ割よりほろよいのクリームソーダサワーの方が美味しく感じます。

 

企業としてはあまり好きではない会社(特に品薄商法が嫌い)ですが、ほろよいは好きです。

ゴランハイツ ワイナリー ヤルデン ピノノワール 2019(2日目)

saito0701.hatenablog.comこれの2日目です。

 

豚ロースは3枚入りだったのでこうなりました。

 

かなり質のいいピノノワールだったので、2日目はまた違った表情を見せるかと期待してましたが、正直そこまででもありません。2日目で劇的に変わったワインは直近で記憶にあったのはフィリップ シャルロパンのブルゴーニュ コート ドール ルージュです。初日は「アンリ ジャイエの弟子と期待しすぎたかな?」と思うような固い印象で正直美味しいとは思えなかったのですが、2日目では少し冷えた状態から飲み始めて、室温に戻るにつれどんどん香りが開いていったのが驚きでした。

そういった意味ではレストランで使いやすいのはヤルデンでしょう。デキャンタージュしてゆっくりゆっくり飲まないと真価を発揮しないワインより、抜栓した直後~1時間程度がピークのワインの方がお客さんにも喜んでもらえるんじゃないでしょうか?

 

しかし、特徴がヨーロッパ的で高品質なピノノワールがまさかイスラエルにあるとは思ってもいませんでした。ヤルデンは少々宅飲みには高すぎますが、様々な有名産地が値上がりを続けるワイン、ウィスキーを手ごろに美味しく飲み続けるには視野を広げるべきと人には話していてもここまで実感したワインは久しぶりです。

ゴランハイツ ワイナリー ヤルデン ピノノワール 2019

ゴランハイツ ワイナリー ヤルデン ピノノワール 2019

イスラエルにワイナリーがあるとは思っても無かった方は多いと思いますが私もです。

 

イスラエルと言えばパレスチナ問題を抱えているところですが、「政治、宗教、野球の話はするな」という社会人の常識に従い割愛。そもそも語れるほど知りません。

 

ブログを書くに当たり、ゴランハイツ ワイナリーの場所を調べたところ、お隣の国のヨルダンなのですが、輸入元のテクニカルデータによればイスラエル北部ガリラヤ地方ゴラン高原カツリン」です。このラインナップの名前であるヤルデンもヘブライ語でヨルダンを意味するそうですし、よく分かりません。

 

このワインは第14回世界最優秀ソムリエコンクールの決勝で出題され有名になりました。ネットショップでは世界最優秀ソムリエを次々に魅了したとか幻のピノノワールとか派手な謳い文句が飛び交ってますが、トップソムリエが当てられなかっただけで、絶賛したとかじゃないですし、数量割り当てになるようなレアな商品でもなく、普通に発注した数量が問題なく買えるワインです。

 

しかし、ヤルデンのシャルドネは一時欠品。聞けば価格が上がり続けているブルゴーニュやナパのシャルドネからヤルデンに変えていく飲食店が急に増え、入荷が追い付かないとの事。事情を電話で伺っていた時に「ヤルデンがやらないデンに、、、、」とつぶやいたら爆笑されてました。

 

またしても豚ロース(酒粕漬け)。この食事で200円程度なのでお財布に優しい。のですが、ヤルデンのピノノワールは6000円前後ですので、頻繁に飲めるものではありません。内心ブルゴーニュの村名クラスじゃん、、、」とか思いつつも勉強のためと自分に言い訳をして購入。

 

私はピノノワール

saito0701.hatenablog.com

saito0701.hatenablog.comこのようなブルゴーニュを軸に考えており

 

saito0701.hatenablog.comカレラを代表とするカリフォルニアは分かりやすいがやや大味、チリも美味しいけどブルゴーニュのような繊細な酸はほとんど感じません。ニュージーランドは綺麗ですが果実味が明るく好みではありますが、ブルゴーニュのような冷たさ、陰気さはありません。

 

それぞれがその地域の味ですから、ブルゴーニュ以外でブルゴーニュの味を再現する必要はありません。偉大なワインとはその土地の味わいを表現したワイン、すなわちテロワールのワインだと考えています。このヤルデンのピノノワールは驚きです。先述のどの国よりも複雑です。

 

トップソムリエですら当てられないはずです。私は迷わずブルゴーニュと答えていると思います。ブルゴーニュファンなのに。知った上で飲んでみれば、ヴォーヌ ロマネのような分からなさ、シャンボール ミュジニーのような陰気さ、ジュブレ シャンベルタンのような力強さとはどれも違います。

 

程よい果実味と細かな酸。深みがあり、口の中で味わいが縦に伸びていきます。派手さは無いが実直な人物のようです。シンプルを通り越してチープさすら感じるラベルとそれに見合わない価格に今まで手を出してこなかったのですが、これは中々すごいです。同価格であればブルゴーニュを買うと思いますが、レストランでメニューに載っていたら視野の広いソムリエがいる店だと感じそうです。

コルクのおしゃれです。

 

ちょっと宅飲みに向く価格帯では無いのですが、一つ引き出しが増えました。

グレイス グリド甲州 2021(2日目)

saito0701.hatenablog.comこれの2日目です。

 

栓をして冷蔵保存で2日目の様子を見るという私の飲み方では、元々白は良くも悪くも変化しにくいものですが、こちらのワインは芯がしっかりしているせいか、初日より劣るところはほぼありません。とは言え秀逸なブルゴーニュのように少し柔らかくなり違う表情を見せるという事もありません。

 

2日目は豚ロースの味噌漬けと合わせましたが、まずまずの相性です。はやり不思議と日本的な味付けには問題なく合います。

 

このワインを作っている中央葡萄酒は現在の社長の三澤茂計氏の娘である三澤彩奈さんが醸造責任者を務めていますが、家業をなんとなく継いだというものではありません。

 

まず入社に当たり、社長である父から「地獄へようこそ」という激励から始まり収穫、醸造を学ぶため、各地で修行していますが年中修行できるように北半球のワイン生産者が落ち着ける冬~春は南半球のワイナリーに行き、そこで収穫~醸造を学ぶという生活を送っていたといいます。ご存じの通り南半球は季節が逆転しますので北半球の春は南半球の秋です。

 

こちらの噂を本人に確認したところもうあんな生活は無理ですね、、、」と遠い目をされてました。よほど過酷だったのでしょう。現在でも収穫期はトイレすらままならないと聞きます。

 

現在の中央葡萄酒の甲州はこの2000円程度のグリド甲州ですら、ブルゴーニュを引き合いに出すほど洗練されていますが先述の話を伺った数年前は甲州を試験的に高畝で育てることを始めている」と語っていました。

 

高畝(たかうね)をご存じでない方はちょっと検索してみてください。要するに盛り土での育成で野菜では珍しくは無い手法です。土の表面積が広がるため水はけが良くなるという事が狙いでしょう。海外のブドウ畑を見ても高畝でやっているところは記憶にありません。国内では比較的降水量の少ない山梨ですが、よりブドウの樹に水分を与えず、凝縮した甲州が収穫できるかもしれません。

 

海外のワインに負けじと日本のワインは進化を続けています。輸入ワインの価格が上がり続けている今こそ改めて注目すべき産地は日本かもしれません。

ほろよい ラムネサワー

ほろよい ラムネサワー

昔懐かしのラムネ味。ラムネって今の子供って飲むんでしょうか?少なくとも飲んでいた子供が大人になって飲んでいるのかこれに限らず、居酒屋ではラムネチューハイをやってる店は少なからずあります。

 

あの栓になっているビー玉を飲むときどうするかを昭和生まれの私が平成生まれの妻に教えたときに「今時ラムネって見かけないな」とか思いました。

 

日本だけが二足歩行ロボットにこだわっているのは鉄腕アトムを見て育った世代がロボットの第一線にいるからだと聞いたことがあります。私は映画をさほど知りませんが、日本の作品はロボットが人間の味方であり、友達のように描かれている作品が多いがアメリカの映画はロボットと戦う作品が少なからずあります。そこの差だと考える人の話は聞き、私自身納得していますが、今の第一線はアトム世代じゃなくてガンダム世代以降かなと、とか思ってます。

 

私はガンダムで言うならZ世代で漫画で言うならドラゴンボールスラムダンクの世代です。今の20~30代はワンピース世代なんでしょうか?その30代の妻がシティハンターって面白いの?ツイッターで話題になってたけど」と話していたので昔の漫画に込められている熱量を熱く語りました。

最近の漫画の画力は素晴らしく上がっています。箸にも棒にもかからない漫画ですら、昭和なら画力だけなら巻頭カラーを飾っても恥じないレベルですが、設定やキャラはどっかで見た漫画が多いです。以前に「昔の漫画の方が良かったって人は昔の漫画の頂点と比べるからだ」という漫画を見たことがありますが、私に言わせれば逆です。画力を除けば今の漫画は頂上付近の作品でないと昔の漫画と張り合うのは難しい気がします。

 

今、古い漫画を読んでますが画力やギャグセンスの古さがややキツいものの、物語の展開やキャラは今見ても斬新だったりします。最近の漫画は展開に説得力を持たせようとしてセリフや解説が長かったり、コマ割りが汚かったりしてテンポが悪い漫画も見受けられます。逆に昔の漫画はその展開が無茶苦茶だったりしますが。

 

ガンダムで言えばZガンダムの主人公である、カミーユ・ビダンみたいなキレっキレのキャラが今、アニメ界で生まれるんでしょうか?東京リベンジャーズも最初マイキーを見たときには特攻の拓のマー坊君を思い出しました。その東リベはその後ちゃんと漫画として面白くなっていったので楽しみに読んでます。

 

妻が最近、昭和にあった物の良さに気づき始めて嬉しいこの頃です。

グレイス グリド甲州 2021

グレイス グリド甲州 2021

私がお酒業界に入った2000年代の初期は国産ワインなど大して注目を浴びてはおらず、2000円以上する割には果実味も酸も弱く、特に日本特有の品種である甲州は水っぽい印象でした。世界的に有名なシャブリが買えるような価格にもかかわらず薄い果実味と神経質な酸を持ったなんとも言えない立ち位置と、大してワインを知らなかった身としては記憶しています。

 

しかし、現在山梨、長野、北海道、山形などのワインは世界的な評価を受けるまでに成長してきました。生産者達のたゆまぬ努力のたまものでしょう。

 

そんな中でも甲州のポテンシャルを信じて磨き続けてきた生産者の筆頭とも言えるのがこの中央葡萄酒です。このグリド甲州は1999年に生まれたそうですが、その当時の味を知りません。しかし、今こうして飲むと繊細さと厚み、複雑さが絶妙なバランスと保った素晴らしいワインだと感じます。

 

食事を引き立てながら自身も主張する、理想的な食中酒です。残念なことはこのグリド甲州は人気が高すぎ、安易な値上げはしない一方で数量が限られておりいつでもどこでも買えるワインとはなってません。

大分涼しくなってきており、ワインが美味しい季節になってきました。輸入ワインは様々な要因により価格は急上昇中です。2週間前と相場が違うってこともあります。円安がかなり効いているようですね。

 

その一方で2022年度はブルゴーニュシャンパーニュは豊作でクリスタルで有名なルイ ロデレールのジャン・バティスト・レカイヨン氏によれば「過去30年間で最高の出来栄え」との事です。質はこれから仕込みですから分かりません。早ければ春には質に対する評価が出てくるでしょうが私は期待しています。