酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

グレイス グリド甲州 2021

グレイス グリド甲州 2021

私がお酒業界に入った2000年代の初期は国産ワインなど大して注目を浴びてはおらず、2000円以上する割には果実味も酸も弱く、特に日本特有の品種である甲州は水っぽい印象でした。世界的に有名なシャブリが買えるような価格にもかかわらず薄い果実味と神経質な酸を持ったなんとも言えない立ち位置と、大してワインを知らなかった身としては記憶しています。

 

しかし、現在山梨、長野、北海道、山形などのワインは世界的な評価を受けるまでに成長してきました。生産者達のたゆまぬ努力のたまものでしょう。

 

そんな中でも甲州のポテンシャルを信じて磨き続けてきた生産者の筆頭とも言えるのがこの中央葡萄酒です。このグリド甲州は1999年に生まれたそうですが、その当時の味を知りません。しかし、今こうして飲むと繊細さと厚み、複雑さが絶妙なバランスと保った素晴らしいワインだと感じます。

 

食事を引き立てながら自身も主張する、理想的な食中酒です。残念なことはこのグリド甲州は人気が高すぎ、安易な値上げはしない一方で数量が限られておりいつでもどこでも買えるワインとはなってません。

大分涼しくなってきており、ワインが美味しい季節になってきました。輸入ワインは様々な要因により価格は急上昇中です。2週間前と相場が違うってこともあります。円安がかなり効いているようですね。

 

その一方で2022年度はブルゴーニュシャンパーニュは豊作でクリスタルで有名なルイ ロデレールのジャン・バティスト・レカイヨン氏によれば「過去30年間で最高の出来栄え」との事です。質はこれから仕込みですから分かりません。早ければ春には質に対する評価が出てくるでしょうが私は期待しています。