ナティバ エステーツ ナティバ カルメネール
近所の酒屋で購入したおおよそ500円程度のワイン。チリ特有の品種のように思えるカルメネールですが、ここまで様々な生産者が作るようになったのは1994年の再発見からです。
元々はフランスのボルドー地方原産の品種でしたが、晩熟のこの品種にとってはボルドーは適さず、どんどん廃れていったところの1863年のフィロキセラ(ブドウにとって致命的な害虫)によってとどめを刺されました。
ところが19世紀にチリに持ってこられたブドウの中にカルメネールが混ざっており、長らくメルローと混在しながらチリでワイン作りに。これが1994年にフランスからチリを訪れた専門家によって発見され、DNA鑑定の結果確認されたという事です。
葉っぱやブドウの写真を見たところ、特徴を見ればメルローとはかなり違うのですがまぁまぁ雑だったのでしょう。かつて「チリのメルローは青臭い」と言われていた時期がありました。早熟のメルローと晩熟のカルメネールを混植混醸していればそうなるんでしょうね。
味は渋みは比較的穏やかで果実味豊か、スパイシーな香味がメルローとは異なる特徴です。コクのあるタイプの赤になるためやはり肉と合わせるのがいいでしょう。
というわけでステーキです。子供がハマってるおっとっとのゴミが写ってますが気にしないでください。
うーん、カルメネールのワインにしては薄い。価格を考えればやむなしといったところですがゆっくり飲んでいるとどんどん果実味を失っていきます。悪い意味での味の変化のスピードはこれまでの経験上指折りの一本です。前述の特徴はそれなりに持っていますが弱く、やや酸味も感じます。
安ワインの弱点とも言える味の単調さは標準装備されており、ゆっくり料理と楽しむワインと言うより、仲間内でお話ししながら適当なつまみと飲むようなワインかもしれません。