酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

ウィリアム フェーヴル シャブリ

ウィリアム フェーヴル シャブリ

さほどワインを知らない、興味が無いという方でも知っているであろう有名ワインがこのブルゴーニュ地方の北部にあるシャブリという地区で作られる白ワイン、シャブリです。シャブリ地方でシャルドネという白ブドウのみで作られるため、シャブリは必ず白ワインです。シャブリの赤は黒い白馬のようにありえない物です。

 

接客業の現場にいたときに、シャブリの赤を探しているという方は結構いました。接客に常に100点となる対応はほぼありえず、「あいにくご用意がありません」「勉強不足で存じ上げません」と言った方がいい相手と「シャブリである以上、赤は無いんです」と答えたほうがいい相手がいます。ちょっとひねって「イランシー(シャブリ地区の近くで作られる赤。マイナー)ならあります」と答えると喜ぶお客さんもいるでしょう。

 

生産者によりスタイルはまちまちですが、共通してキレとミネラルのある辛口白ワインで、レモンや白い花を思わせる香味があり、特に魚介類は生でも火を通していても良く合います。

 

そんなシャブリの大手生産者であり、教科書的なピュアで引き締まりのあるシャブリを作り続けているのがこちらのウィルアム フェーヴル。

魚介類がいいのですが、こういった夏野菜とも合わせられます。クセの無さゆえでしょう。ナスにオリーブオイル、塩コショウ、ケチャップ、チーズをかけてオーブンで焼いただけのシンプルな物です。

 

芯があり、まとまりのある味はベストマッチとは言えない料理であってもブレません。普通に楽しめます。

 

生ガキにシャブリとは言いますが、合う、合わないで言えば日本酒の方がいい気もしますが、辛口の白ワインに豊富に含まれる有機酸は高い殺菌効果があり、食中毒の防止が期待できます。そういった意味ではやはり生ガキにはシャブリでしょう(当たらないことを保証するものではありません)

 

2021年のフランスのワインは春の霜害、夏の大雨と病害、その後の雹と悪い事の見本市のようになり生産量は激減。昨今の値上げブームの中に合って特にヨーロッパの白ワインは価格が上げることはあっても下がる気配はありません。こちらもシャブリも値上がりするでしょう。