- イタリア/ヴェネト州
- 生産者:ラ ジャラ
- 輸入元:ファインズ
輸入元であるファインズはサントリーの子会社ですが、親会社と違って高品質のワインに特化しており、信用できるインポーターの一つです。有名生産者は多数取り扱っていますが、やはり筆頭はドメーヌ ド ラ ロマネ コンティでしょう。
大衆向け商品を扱っている会社が高品質ワイン専門の子会社と持つことは珍しくありません。これは個人的な感情、、、でもないかもしれませんが、酒屋やレストランで高そうなワインを見たり飲んだりしたときに輸入元がサントリーやらキッコーマンだとちょとテンション下がります。そんなワケで下記有名メーカーはワイン専門部隊がいます。
()内は有名生産者
サントリー:ファインズ(DRC、プリューレ・ロック、ブシャールP&F)
宝酒造:ラックコーポレーション(サロン、ルフレーヴ、ギガル)
キッコーマン:テラヴェール(ゴッセ、フィリップ・パカレ、ユエ)
日本リカー(ルイジャドなど)の親会社はメルシャンですが、そのまた親はキリンビール。さらにキリンビールは三菱グループの一員ですし、日本リカーの株の一部はCOMPAGNIE CHAMPENOISE PH-CH. PIPER HEIDSIECK(パイパー・エドシック)が保有しており複雑です。
このラ ジャラはプロセッコで有名なヴェネト州の生産者ですが、所有している畑の位置がその区域内でないためか分かりませんが、ラインナップにプロセッコはありません。しかし、有名なプロセッコを名乗るためには様々な規定があるため、その規定から外れるためかもしれません。実際に、コレに使われているピノグリージョはプロセッコには使用できないブドウです。
ピノグリージョは産地で呼び名が変わります。ピノグリ(フランス)、グラウブルグンダー(ドイツ)。これをワインの世界ではシノニムと呼びます。生物的に同一ですが、ブドウは生産地次第で様々な個性を発揮するものですから、同じブドウですがワインとしては違う意味合いを持ちます。
グリージョとは灰色という意味。ピノノワール(ノワールはフランス語で黒)より薄い色のブドウで、そのピノノワールの突然変異で生まれた亜種と考えられており、DNAも酷似してます。その一方で熟すときに酸を大きく失うため、ピノグリージョを使った高級ワインはほぼ見かけません。ですから、庶民にとっては大切なブドウです。酸を残すため早めに収穫することもあり、ピノグリージョを使うワインは比較的手ごろで軽やかですがフレッシュな味わいを楽しめます。
前置きが長くなりましたが、このワインは主張が穏やかなため食事と合わせやいのです。もちろん、生ハムのようなおつまみとも相性抜群。バランスがいいため飲み飽きもしません。口に含んだ時の印象は泡がキメ細かくクリーミーですが、高級感のある太いボトルの割りに突出した個性はありません。ワインを主役と考える人には物足りないかもしれませんが、食事と合わせるものと考える人にはお勧めしたいワインの一つです。