サウザ ブルー レポサド
日本人は苦手な方も多いテキーラです。ボトルが白っぽいのは冷凍庫で冷やしているからです。酒好きには常識ですが、純アルコールの凝固点は-114.5℃と到底家庭用冷凍庫で凍らせることができない温度です。テキーラやウォッカは一般的にアルコール度数は40°以上あり、これだけあれば家庭用冷凍庫では凍りません。ちょっとトロっとする程度です。以前にバーで業務用冷凍庫で長年ほったらかしにしていた古いテキーラが凍っており、バーテンダーと驚いた記憶がありますが、何度まで出せる冷凍庫だったのかは知りません。
新入社員へのお酒の研修をしていて、質問を受け付けたところ
「テキーラが苦手で飲めません。どうしたら飲めるでしょう?」
という質問がありました。内心、無理して飲むもんでもないし、飲まなきゃいいじゃんと思いましたが質問の答えになってないので
- 氷に入れ、ロックにしたり冷凍庫で冷やす
- レモンやライムなどの柑橘を加える
- メキシコ人に習って塩を少し舐める
- 上質でクリーンなタイプの物(パトロン、ポルフィディオなど)を試す
- 果実系リキュールと合わせたカクテルをバーでお願いする
などなど提案してはみたものの、テキーラ特有の植物的な香味が無理な人には無理でしょう。さらにテキーラはクラブなどでショットで飲むのがイケてる印象があるせいか、苦い思い出を持っている人が多く、「悪酔いする」「度数が高い」という感想を持つ人が多いのはちょっと残念です。アルコール度数はウィスキーやブランデーなどと変わりませんし、悪酔いするのは体質によるもののあるのでしょうが、飲み方が悪いというのもあると思います。味わうことなく、ショットで一気飲みしていればスピリッツならなんだって同じ思いをするんじゃないでしょうか。
テキーラはアガベという竜舌蘭(デカいアロエみたいな植物)を原料としたスピリッツですが、一般的な安いテキーラはミクストと呼ばれ、材料の49%以下は糖蜜や砂糖などを使っています。悪酔いするという人はこの副産物が原因かもしれませんので、100%アガベの物も試してみたください。100%アガベの物は大抵ボトルに書かれています。
そしてその100%アガベのテキーラの中で、入手が容易でしかも安いのがこのサウザブルーです。ブルーが付かないものはミクストです。これもラベルに100%AGAVEと書かれています。
ワインが顕著ですが、ラベルには基本的な情報が書かれていることが多く、ラベルの読み方が分かるだけでお酒の選び方は簡単になってくると思います。
両親が私の大好物のシャインマスカットを送ってきてくれたのでチェイサー代わりに合わせます。テキーラは意外にも様々なフルーツと相性が良く、リキュールと合わせてもこうして生で一緒に食べてもいいです。メキシコ人はキーライム(メキシコのレモン、ピンポン玉くらいのサイズのライムみたいなレモン。酸味が穏やか)と共にテキーラを飲むのですが、柑橘じゃなくてもかまいません。
アルコールを飲むとポカポカするかもしれませんが、これは毛細血管が開いて体温が逃げているだけなので、結果として体温が下がります。夏の暑い夜にはこうして冷やしたスピリッツと飲むのが私の定番です。