沖縄の離島8島の個性を発揮したラムをコンセプトに作られた純国産ラムで、これは石垣島と宮古島のちょうど中間にある多良間(たらま)島の黒糖を使用しています。
ラムは一般的にサトウキビから砂糖を生成した後に残った糖蜜(廃糖蜜、モラセス)から作りますが、これは原料は黒糖を強調している当たり一度、多良間島産のサトウキビから黒糖を作り、そこから発酵、蒸留させているものなのでしょう。
特徴的なのは作りです。蒸留廃液(ダンダー)を次の仕込みに回す手法を取っているようです。一般的には発酵が安定するよう培養酵母を使うのでしょうが、このダンダーは蒸留廃液を貯蔵したもので、酵母が含まれているようです。イメージとしてはバーボンのサワーマッシュに近い気がしますが、あちらが蒸留廃液を加える目的はpHを調整し雑菌の繁殖を抑制したりや酵母の栄養補給などですが、こちらは説明を見る限りでは味わいに複雑さを加えることが目的の印象です。何よりただ捨てるより次に回して味が良くなるなら環境にもいいことでしょう。
廃液の利用、って書くと「ええ、、、」って思う方もいるかもしれませんが、別に汚い物じゃありませんし、私の好きなとんこつラーメンは豚の骨からスープを作ります。このタラマ以外にも一部のジャマイカのラムでもダンダーは使用されるとの事ですが、やや特殊な製法ではあるようです。
味わいはと言うとフルーツヨーグルトっぽさがあります。乳酸菌的な香りと余韻にはフルーツが香ってきます。意外とワイルドで複雑。甘くはありません。
度数は45くらいあると思ってましたが、よくよく見てみると41°でした。その程度に味わいはパンチがあります。もうちょっと繊細、上品な味をイメージしてました。
ちなみにキャップは封蝋かとおもってましたが、キャップの上に蝋が施されているだけでスクリューキャップでした。ソムリエナイフで蝋を切ろうとしたら手ごたえがおかしく、このようなありさまに。
ある程度ラムなどのスピリッツに飲みなれた方が個性的なラムを求めて飲むようなものだと思います。