- ジョージア/カヘティ地方
- 生産者:キンズマラウリ
- 輸入元:富士貿易
- ブドウ品種:サペラヴィ
自宅ワインセラーを整理している際に、10年ほど前に物珍しさで買っただけで興味も無く忘れ去られたワインを発見し開けることにしました。
ここ数年はジョージアのオレンジワインは注目を集めてはいますが、当時はワインの世界でジョージア(グルジア)に興味を持つものなどほぼおらず、「なぜこんなワインが場末の酒屋に?しかもやや甘口?」と思い買ってはみたものの、飲みたかったわけでは無かったため10年近く忘れておりました。独身時代だったので3000円以上のワインであるにも関わらず買う基準もガバガバでした。
この当時は私がワインの資格(当時はワインアドバイザー、現在は廃止されソムリエに統合)はとったものの今以上に経験が足りず、東ヨーロッパなどさっぱり分からない時期でした。甘口の赤だったので飲もうという気も起らず、この時までほったらかしになっておりました。
一つ覚えのようにステーキです。焼くだけという手軽さがよく、ごちそう感もあります。正直甘口ワインにステーキは微妙とは思ってましたが、これが意外にも悪くない。あまり私もやりませんが、欧米人の好きな肉料理にフルーツソースをかけるようなイメージです。
しかも、飲み頃などとっくに過ぎていると勝手に思っていたのですが、あまりにも薄い考えでした。飲んだことが無いワインを勝手に飲み頃判断をしていたのですから。このワインは10年程度でどうこうなるようなワインではないどころか、あと数年でピークになるようなワインです。イチジクやベリー系の香りと酸、ほどよい渋みがバランスよく重なり合う絶妙なワインで、ただ単に甘いだけのワインではありません。スターリンが愛飲し、ヤルタ会議でチャーチルが絶賛したという触れ込みは伊達ではありませんでした。
甘さもしっかりと甘いデザートワインというタイプではなく、程よく甘く食中でも食後でもいい甘さです。スイーツと一緒でもいいのかもしれませんが、やはりこの感じは肉料理やおつまみと一緒がいいかもしれません。
こんないいワインと知っていれば、こんなに適当には開けなかったと後悔しました。