酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

キリン スプリングバレー 芳醇496

キリン スプリングバレー 芳醇496

大手メーカーがクラフトビールを作ることに違和感を感じ続けてはおりますが、消費者として明らかなメリットは、やはりクラフトビールとしてかなり安いということでしょう。基本的な設備、ノウハウは持ったままで仕込みを変えるだけでクラフトビールが作れるのですから。

 

志があるメーカーがクラフトビールを作りたいと思っても、まず醸造設備に莫大な投資が必要ですし、その一方で他の種類に比べてビールは少々単価が低めです。麦芽やホップも大量に買うほどコストを抑えられるでしょうし、小さなメーカーが大手メーカーと戦うには色々と不利な戦場がビールです。

 

近年、クラフトビールの注目を受け、様々なビールが作られるようになったのに大手が介入して荒らさないでほしいとは思うものの、クラフトビールはどうしても割高な物ですが、大手メーカーが作ると個性的なビールが多少は手ごろな価格で買えるのは消費者としては素直に喜ばしい事です。

 

キリンビールが作るクラフトビールブランドがこのスプリングバレー。名前の由来は1870年にアメリカのビール醸造家であるウィリアム コープランドが横浜に設立したスプリングバレーブルワリーから来るとか。これは日本で最初に商業的に成功した醸造所で、現在はキリンビールへと引き継がれているとの事です。

 

気になる数字の496とは数学的に完全数と呼ばれる「自分自身が自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数によるもので、完全な物を目指したビールという意気込みですが、消費者に伝わりにくいにもほどがあります。そもそも完全数は6、28、496、8128などですから、6でも28でも良かったはずです。その中からなんとなく見栄えのいい496を取った節があります。

 

かといって直球で

saito0701.hatenablog.comこんな子供のようなネーミングセンスのビールもありますから、これよりマシです。

 

ネーミングはさておき、味は好印象です。某パーフェクト何とかビールより好みです。かなり麦の味わいの強い、それこそ芳醇な味わいです。実家で白菜をもらったので豚キムチ鍋を作りましたが全く負けてません。むしろかなりいい相性です。味わいもクラフトビールっぽく個性的です。

 

尖りまくったクラフトビール好きにはややおとなしく感じるかもしれませんが、日々飲む物の味としてはこの辺がいいかもしれません。あまりに個性的だと飲み飽きすることもあります。

 

どうしてもこのメーカーは市場で売れるものより、作りたいものを作る傾向があるのですが、個人的にはこれは口に合いました。