酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

シングルモルト 嘉之助 Artist Edition

シングルモルト 嘉之助 Artist Edition
  • 鹿児島県/日野市
  • 生産者:小正嘉之助蒸溜所

saito0701.hatenablog.com

saito0701.hatenablog.comこの嘉之助は上記の焼酎を生産している小正醸造から分社化した小正嘉之助蒸溜所株式会社によって生産されています。通常、嘉之助ブランドは小鶴などを扱っている問屋への割り当て商品となっていますが、こちらのArtist Editionは蔵の師魂を扱っている特約店の酒屋向けとなっています。

 

ちょっとマニアックな話をすると、小正嘉之助蒸溜所はディアジオからの資本が入っています。小正醸造自体、本業の焼酎があるため資本にさほど問題は無いと思ってますがウィスキー作りは投資が回収されるまで非常に時間がかかる商売です。

 

ウィスキー好きなら誰しも知る、日本のニッカの元の名前は大日本果汁株式会社です。ドラマのマッサンでも有名な創業者の竹鶴政孝は自身の蒸留所である余市蒸留所を作りはしたが、ウィスキーを熟成、販売するまでの資金を稼ぐためにニッカ林檎汁というリンゴジュースを作って収入を得ていました。

 

ディアジオからの資本から入ることにより多くの新興蒸留所のように急いで若い原酒をバンバン売る必要が無くなるかもしれません。また、海外への販路拡大にも期待しているのでしょう。その一方で本体の小正醸造が最大株主であるようにして、独立性は保つようにしているようですね。

 

かなり個性が爆発した味わいです。50度という強めのアルコール度数とそれに負けない複雑さ、甘さがあります。決して熟成年数は長くは無いと思うのですが、樽の影響が強く、熟したブドウや蜂蜜ような香味があります。スペイサイドに近いイメージですが、飲んだことがあるどのスコッチモルトとも大きく異なります。

 

こんなパンフレットもついてきました。

 

比較的若いであろうにこの味わいとは、今後が面白そうなジャパニーズ ウィスキーです。