ヒメネス スピノラ ソレラ 1918
saito0701.hatenablog.com以前にこちらの記事でペドロヒメネスと言うブドウを使ったオレンジワインのブログを掲載しましたが、このブドウはどちらかと言えばシェリーで有名なブドウ品種です。
シェリーにはいくつかの種類があります
- フィノ:辛口
- マンサニージャ:サンルーカル デ バラメダ産の辛口。潮っぽい風味
- アモンティリャード:中程度熟成させた琥珀色の辛口
- オロロソ:アモンティリャードをさらに熟成。濃厚な味と色調
- クリーム:オロロソをベースに甘口に仕上げた物
- モスカテル:マスカット系の極甘口。琥珀色~黒い色調
- ペドロヒメネス:レーズンのような極甘口
細かいことを言えばアモンティリャードとオロロソの中間のパロ コルタド(偶然の産物のためややレア)やクリームにもフィノベースのペイル クリームやアモンティリャードベースのミディアムがありますが割愛。
白ワインが好きな人が初めてフィノを飲むと「ワインがダメになったような味」という感想を抱くことがありますがそれもそのはず。シェリーとは白ワインにブランデーを加えて度数を高めた酒精強化ワインで、白ワインには感じたくない酸化した風味があるからです。
シェリーはスペインの歴史と文化が詰まったワインです。歴史と時代背景を語ると長文になりすぎるので、伝えたいことだけ書くと「日持ちするワイン」です。特にフィノやマンサニージャは食事とも合わせやすいので、「食事に合わせて1杯だけ飲みたいが、ワインだとそんな飲み方では最後の方では劣化している」という方は、口に合うか試してみるといいと思います。アルコール度数もワインより高いので1杯で満足感があり、酒代を減らしたい方も検討の余地ありです。
逆にシェリーに苦手意識がある方に試してほしいのがモスカテルとこのようなペドロヒメネスです。どちらも極甘口で芳醇なデザートワインです。価格はピンキリですが、手ごろな物はモスカテルなら1000円代、ペドロヒメネスなら2000円程度の物からあります。量が飲めるものでは無いはずですからコスパはいいと思います。
とは言え、こちらのヒメネス スピノラの1918は極上品。酒代節約を検討している方にこの1万円前後のシェリーは不向きでしょう。
極甘口にするため、ブドウを乾燥させて干しブドウのようにさせてから作るため、必然的に液量が少なるなるため高価になるもので、コスパを上げるため天日乾燥のブドウを使わないことを許可されてますが、こちらの生産者の未だに100%天日干しを行って作っているペドロヒメネスがこれです。さらに許可されている、補酸、酒精強化、冷却安定すらしていません。
シェリーであれば必須と言える酒精強化(ブランデーの添加)すらしないため、一般的にシェリーは日本の酒税法上、甘未果実酒扱いなのに、これは果実酒扱いです。
安くなっていたので買ってみたオレンジチョコレートチーズとも相性抜群。大人の食後って感じです。
ペドロヒメネスとしてはさらりとして、最初の印象は何やら物足りなく感じますが、何口か飲んでみるとその上品な甘さの虜になります。逆にこれを飲んでからだと他のペドロヒメネスが甘すぎると感じてしまいそうです。
冷蔵庫などで冷やして楽しむべきですが、ボトル1本冷やすのがスペース的に難しそうなら、飲む前にグラスに一杯取り分けてからそのまま冷蔵庫で冷やしてみてください。