酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

ジェイコブス クリーク リースリング

ジェイコブス クリーク リースリング

先に記述しておきますが、私はあまりオーストラリアのワインにいい印象は持っていません。もちろん、ヘンチキ、ペンフォールズ、ピーター レーマンのような高級品からローガンやデ ボルトリなどカジュアルなラインナップが多い生産者までいいワインを作っているところはありますが、私が口にできるような手ごろなワインでは果実味の主張が強い一方で香味の層に乏しい単調なワインが目立ちます。元々はチリやカリフォルニアもその傾向を感じてましたが10年以上前から変わってきています。

 

仕方ありません。ワインは嗜好品です。かの有名なロバート パーカーですらデキャンタ誌の取材でピノノワールは好みじゃなくて理解できなかった」と言い出すくらいです。あれだけワイン業界を騒がせておいて引退してから言うのは卑怯だと思いますよ。やけにスペインの安い赤の評価が甘く、村名クラスのブルゴーニュに厳しい点数が付くはずです。白も濃いめのヤツばかり点数高かった印象ですので、やはり濃いめが好きな方なんでしょう。

 

リースリングはドイツを代表するブドウ品種です。ドイツ以外では隣接するフランスの生産地であるアルザスオーストリア、そのオーストリアと隣接するイタリアのフリウリの他、オーストラリアやニュージーランドなどで使用されているブドウです。酸とミネラルが豊かで甘口ワインにしても味わいが締まっており、辛口にしても上品な香味をもつのが特徴です。

 

この日は妻が作った豚のバラ肉とキャベツを余っていた焼肉のたれで味付けした主婦の料理です。男の料理と違い、ちゃんと食材、調味料に無駄が出ないよう日々工夫して食卓を満たす立派な妻です。そんな妻も同棲して最初に作った料理は食材の断末魔が聞こえてくるようなシロモノだったのですが、今では独身自炊生活の長かった10歳年上の私より料理の腕は上になりました。

 

やはりよく言えば分かりやすく、悪く言えば単調なワインです。酸、ミネラルに裏打ちされた果実味は1杯飲む分には悪くありません。飲食店でソーセージとグラスで1杯飲むにはベストな選択肢とも考えられます。1杯どころか一口しか飲まない試飲会ではこの手のインパクト重視のワインに騙されかねません。「試食は美味しかったんだけど、、、」っていうアレです。

 

厳しい言い方をしてはいますが、カジュアルに深く考えずに辛口のリースリングを飲みたいなら真っ先に候補に挙がる1本です。何より手に入りやすいし、欠点らしい欠点は見当たりません。いつも通り半分残して2日目を味わってみます。