酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のご紹介

さがみの夢 レギュラー

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さがみの夢 レギュラー
  • 生産地:神奈川県相模原市
  • 生産者:スズラン酒造
  • 販売者:ハンド株式会社
  • ブドウ品種:富士の夢

saito0701.hatenablog.com

こちらのケントク同様、神奈川県相模原市のワインです。同じ会社かと思ったら違いました。相模原市はそんなにワイン作りが盛んなのかとHPを確認したら2021年3月にワイン特区になっていたそうです。

 

生産地で目を引いたのは確かですが、購入に至ったのは富士の夢という聞いたことも無いブドウ品種と

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このヴィンテージです。勘違いされがちですが、流通しているワインの99%は瓶詰めされたてが一番美味しく、時間がたつほど味が落ちていきます。極一部の本質的に優れたワインが理想的な環境に置かれたとき、初めて瓶内熟成され、リリースされたころよりも味と価値が上がっていくものです。

 

ですから、こちらのワインを見たとき「売れ残り?」と思って店主と少し話をしたら最近入荷したばかりと言うので、2015年収穫のブドウでワインを作り、ワイナリーでタンクだか樽だかで熟成させてから2021年年末~2022年にリリースされたという事ですから、スペインワインでいうところのグランレセルバ(最低60か月熟成。その内18か月以上は樽熟成)クラスという事になります。

 

先述の富士の夢という耳慣れないブドウ品種は山ぶどうである「行者の水」と国際的に広く使われているメルローの交配品種だとか。日本の気候に適し、アントシアニンポリフェノール豊かな濃厚なタイプのワインになると説明されており、この熟成期間が必要と言うのも納得です。

 

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色調は確かに濃く、7年前のワインとは思えないほど健全な輝きを持っています。これで飲み頃なのでしょう。味わいは国産メルローのイメージに近く、タンニンは細やかでしっとりとしていますが、国産メルローには感じないパワーも感じます。やはり濃いめでしっかりとしていますが、いわゆるチリやアメリカなどの新世界のワインのような「パワフルだろ?」って主張が強いわけでもなくちゃんと食卓に馴染みます。

 

2000円代半ばと言う価格に対する評価は難しいところです。値上がり激しいブルゴーニュワインですが、それでもこれだけのお金を出せば今でも購入は難しくありません。チリなら一口目で驚くようなパワフルなワインが簡単に見つかるコストです。しかし、国産の赤のこの価格でこれほど芯があるワインは3000円クラスからではないでしょうか?探せばもちろん、2000円代でもあるとは思いますが、経験上、国産の赤で「お!」と思うようなワインはシャトー メルシャン 長野メルローなど3000円を超えるものが多いと記憶しています。白は色々と優れたものを経験してますが。また、好みはあると思いますがやや酸味が足りません。そこが飲みやすいと思う方も少なくないとは思います。

 

コスパの評価は難しいところですが、正直神奈川県がワイン産地として適しているとは今でも思いません。それでも「神奈川で素晴らしいワインが生まれるかもしれない」と言う夢を見せさせてくれるワインであることは間違いありません。ケントクエステート共々今後が楽しみです。