酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のご紹介

レカシュ ワイナリー オレンジワイン

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レカシュ ワイナリー オレンジワイン
  • 生産国:ルーマニア
  • 生産者:レカシュ ワイナリー
  • 輸入元:ドウシシャ
  • ブドウ品種:フェテアスカ・アルバ、シャルドネ、タマイオアサ・ロマネアスカ、ソーヴィニヨン・ブラン

ルーマニアは日本ではあまり知られていませんが、ワイン作りの歴史は非常に古く、紀元前4000年にさかのぼります。しかし、第二次世界大戦後は社会主義国家となり、他のヨーロッパ諸国との交流も無くなり、ワイン作りは国営化され質も著しく落としました。

 

しかし、近年の土地や地域の個性を尊重したワイン、土着品種を使った質の高いワインが注目されており、高品質ながら手ごろなワインを求める人々によって注目を集めつつあります。フランスやイタリアなどのワインの価格が上がっていることも後押ししているのでしょう。実際ジョージアルーマニアのワインをたまに飲んでみると新しい発見があります。

 

そして、同様に近年注目を集めているのがこのオレンジワイン。赤、白、ロゼに続く第4のワインとして人気上昇中。ロゼが黒ブドウを使って白ワインのような作り方(皮、種子を果汁に浸漬する時間が短い)をするのに対して、オレンジワインは白ブドウを使って赤ワインのような作り方(皮、種子を長時間果汁に浸漬させる)をしています。

 

味は簡単に言うと「しっかりした白ワイン」というイメージです。普通の白ワインは少し濃いめの味付けの料理の前ではワイン本来の味が分かりにくくなるものですが、オレンジワインは骨格がしっかりしており、濃い味付けの料理であっても負けません。

 

さらにこのワインはヴィーガン対応です。ワインに動物性の物は元々使ってないのでは?と思うかもしれませんが、ワインの清澄に卵白やゼラチンと言った動物由来の物を使わず、ベントナイトなど鉱物由来の物を使って清澄しているようですね。

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これでもかと言うほどオーガニックだのナチュラルワインだの流行りの文言てんこ盛りです。表ラベルにも培養酵母酸化防止剤も使用しておらず、補糖も行ってないとの事です。しかし、補糖、補酸をしない、野生酵母を使用するといったこと手法は本質的に優れたブドウを作った上で行うべきことです。

 

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味に全く期待していないのでシンプルなサラダと合わせてみます。

 

オレンジワインとして薄すぎる色調と生産者すら書かれていないラベルから察した通り味よりも情報、つまりオーガニックだとナチュラルだのと言った言葉が好きな方向けのワインです。

 

まず、単純に味がほぼ白ワインと変わりません。オレンジワイン特有の厚みは無く、よく言えば飲みやすく、オレンジワインの入門としては価格も手ごろでいいのかもしれませんが、これを飲んで「人気と言うから飲んでみたけど、白ワインとあまり変わらない」と思われては他の生産者が気の毒です。

 

味が悪いわけではありません。むしろスッと喉を通る心地よい飲み口のワインであることは確かです。しかし、別のオレンジワインを飲んで「面白い!」と思って他のオレンジワインにチャレンジした先がこれだった場合はちょっと残念な気持ちになりそうです。

 

自然派ワインというふわふわした言葉も近年人気のワードです。しかしそれが行き過ぎて自然派だからいい」ビオディナミだから素晴らしい」と言うのは私は賛成できません。あくまでもオーガニックだのビオディナミだのは上質な農作物を作るための手段であって目的ではないと思っています。しかもワインに至っては嗜好品ですから最終的に美味しいかどうかって事だけが判断基準であるべきです。そしてその判断は他人にゆだねず、自身の舌で判断すべきです。有名評論家が絶賛していても口に合わなければそれは自分にとっていいワインではないはずです。

 

オーガニックを前面に出していても上質なワインも数多くあります。実際同じ生産者のスタンダード品とオーガニックを比べると明らかにオーガニックの物の方が味わいが濃く、エネルギーを持っています。しかしこれは生産者への敬意を感じない、「売れそうな文言を詰め込んで企画したワイン」という印象でした。