酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のご紹介

甲州 韮崎 ピュアモルト

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甲州 韮崎 ピュアモルト

頂き物ですが大変面倒くさい商品と会社です。

  • サンフーズ株式会社(山梨県笛吹市):ジュースの製造、販売
  • 株式会社サンフーズ(横浜市都筑区):事業所向け弁当、園児食の製造、販売
  • 株式会社 サンフーズ(愛媛県大洲市):缶詰、瓶詰食品の製造、販売
  • サンフーズ株式会社(広島市南区):ミツワお好みソースなどの製造、販売

探せば似た会社はまだまだ出てきます。このウィスキーの製造元は

調味料(主にみりん)と酒類の製造と輸入です。販売者は富永貿易ですので、富永貿易から委託されてサン.フーズが生産しているということでしょう。商品説明としては

「熟成を重ねたモルト原酒100%のピュアモルトウィスキーです」

とのこと。どっから突っ込めばいいか分かりません。

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まず、山梨県で製造とのことですが原酒がどこで蒸留されたものかボトルにも両社のHPにも一切触れられてません。さらにピュアモルトという表記はスコットランドでは2009年のスコッチ・ウイスキー規則(The Scotch Whisky Regulations 2009)で使用しなくなっています。これはカーデュがやらかしたせいですね。

 

ジョニー・ウォーカーのキーモルトとして有名なシングルモルトのカーデュはかつてピュアモルト表記のカーデュを生産していましたが、中身はカーデュとグレンデュランのバッティングでした。消費者からはカーデュ蒸留所のモルト100%のように見えてしまいます。これが大きな引き金となり、ピュアモルトの表記は無くなり、シングルモルトとブレンデッドモルト(ヴァッテドモルト)になってます。ピュアモルト表記ではどちらか分かりませんから。

 

こちらは堂々とピュアモルトと謳っています(現行品はラベルデザインは変わっていますが、ピュアモルト表記のまま)。事実、味わいはグレーンは使っていないように思える香りの強さです。問題はその原酒の出どころです。どこにも産地は書かれていません。製造元HPによればサン.フーズのブランドである、御勅使(みだい)、富士ヶ嶺(ふじがね)国内蒸留原酒と輸入原酒のブレンドと明記されています。韮崎(にらさき)に至っては「世界各地の選りすぐモルト原酒と海外グループ工場で製造したグレーン原酒をバランスよくブレンド」と書かれていますので、国産原酒は一切使用していないと考えていいでしょう。

 

そして、富永貿易が販売するこの甲州も国内蒸留の旨の文言は一切かかれていません。

 

ここからは私の予想ですが、スコットランドの若い原酒を混ぜたものでしょう。サントリーの白州にしては大味です。よく言えばおおらか、悪く言えば雑です。ニッカの余市は例外として国産蒸留のものは山崎にせよ宮城狭にせよ御殿場にせよスペイサイドの特徴に近く、繊細で甘い香味を感じるものが多いのですが、こちらはややハイランドよりのドライな印象を受けます。

 

しかし、逆に考えれば本場スコットランド産(と思われる)ブレンデッドモルトが2000円もしない価格で楽しめるのです。山梨県産だと思った!騙された!」とか考えなければコスパはいいウィスキーだと思います。