酒屋の宅飲み

酒屋に勤めるサラリーマンが自宅で飲むお酒のレビュー

ラガヴーリン 16年

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ラガヴーリン 16年

アイラ島で現在操業中の8つ蒸留所の内の一つ、ラガヴーリン蒸留所のスタンダード品といえばこの16年です。スタンダード品は10年、12年が比較的多く、最近では熟成年数の表記をしないところも増えてきていますが、ラガヴーリンのスタンダード品はかたくなに16年です。ポットスティルの数は4つですし、それほど生産量を多くないと思われますので原酒不足が心配です。この4つのポットスティルの内、2つは閉鎖されたモルトミル蒸留所のものです。この蒸留所はラガヴーリンの隣にラフロイグに対する怒りで建設し、そのシェアを奪おうと画策したものですがその目論見は失敗し閉鎖されました。

 

ピートの香りはかなり強めですが芳醇な香りがあり、ただの激しいアイラモルトとは一線を画します。このラガヴーリンの特徴はてっきり「スタンダードで16年」という長めの熟成年数によるものかと思えば12年スペシャルリリースどころか、ニューポットの時点でこの特徴があるようです。飲んだことありませんけど。

 

秀逸なシングルモルトはたくさんありますが、「巨大な」と形容したくなるシングルモルトは今のところハイランドパークとこのラガヴーリンです。愛飲酒の一つで、以前にとあるシングルモルトを久しぶりにバーで飲んで、記憶と大きく異なる味わいにがっかりした時に「記憶を美化しすぎていたのかな」と思いながら、口直しにラガヴーリンをいただいたときに、こちらは記憶通りの味わいだったことが思い出です。

 

蒸留量が決して多くないせいか、原酒のほとんどはブレンデッドとオフィシャルボトルに回されボトラーズ(他社の瓶詰業者)物を滅多に見かけません。無いことは無いんでしょうが、あっても「蒸留所非公開」ってパターンばかりです。

 

蒸留所名の「Lagavulin」はゲール語の「Laggan Mhouillin(谷間の水車小屋)」「小さな谷間の、水車小屋を囲む村落」に由来しているそうです。定年迎えたらアイラ島行ってみたいなぁ、、、、

 

冒頭の操業中の8つの蒸留所とは

1.ブナハーブン

2.カリラ

3.キルホーマン

4.ブルイックラディ

5.ボウモア

6.ラフロイグ

7.ラガヴーリン

8.アードベッグ

これに1983年に閉鎖されたポートエレンがあります。

 

ポートエレンは現在でもわずかながら過去に蒸留されたものが流通していますが、もはやそうそう手が出る価格ではありませんし、頑張って買ったとしても飲める価格ではなく、ほぼコレクターズアイテムでしょうね、、、、バーで何度か飲みましたがピートの強さはボウモアラフロイグの中間というイメージです。仮に蒸留所が再開されたとしても別物でしょうから、飲める機会があればモルトファンなら多少無理してでも試す価値はあると思います。